日本の文化は木の文化と言われるように、建築・アート・工芸品など日本の文化の多くのものが木との関わりの中で成熟してきました。日本人ほど木との関わりを深く感じる民族はいないような気がします。例えば、杉田さん、松本さんなど、多くの人の名前には木の名前がそのまま入っているのも日本人がいかに木と密接な関わりを持ってきたかを表しているような気がしてなりません。


一方、明治維新以降の日本は急激な経済成長と引き換えに多くの本物を失ってしまいました。本物の木の素材を使う代わりに木に似せたプリントを使用するなど、無垢材を使っていく機会も大幅に減りました。

私自身昭和最後の時代に生まれ、生まれた時にはバブルが崩壊しており、急激なデフレの中で育ちました。モノや情報に溢れた社会で育ち、何が本物かも分からないまま社会に出て、気がつけば人工物に囲まれた不自然な社会の真ん中で生きていました。そして精神的に追い込まれ、身も心もボロボロになった時、地元鳥取で一枚の木の板に出会いました。


その一枚の板は、樹齢200年のポプラの木でした。大自然の中で200年生き続けてきたそのポプラの木は、雷に打たれたのか獣に攻撃を受けたのか、穴が空いてボロボロでした。でもその傷に触れた時に、「たかだか2〜30年の人生の傷が何だ。俺の2〜300年の傷に比べれば大したことはない。」と途轍もない大きな自然の生命力を感じたのです。


この瞬間に、木で事業を起こすと決めました。そして人生をかけてこの木の驚くべき力を世界中に伝えたいと決意しました。

世の中は目まぐるしく変化をし、様々な社会の課題も浮き彫りになっています。そんな中、木は私たち人間にたくさんの大切なことを教えてくれます。我々WONDERWOODが愛おしくてならない木の一枚一枚が、皆様の人生に少しでも変化をもたらしてくれることがあれば、これほどの幸せはありません。


WONDERWOOD CEO 坂口 祐貴